toshitaka919のブログ

1000年の時空の旅。

花は桜木、人は武士。

2、月明りの会話。

俺は真珠、歳は16。麓(ふもと)の村に住んでいるんだ。今、空を眺めていたら朱鷺(トキ)が舞っていたんだけれど、君が...

 

ここはいいところね、夜空を眺めに来ていたの?

 

うん。ここにいると落ち着くんだ。

日は昼に輝き、月は夜照らす、武士は武装をして輝き、道を求めるものは静かに考えて輝く。なぜだろう真珠は最近読んだ言葉が出てきた。

 

すてきな事葉ね。武士は武装をして輝き、道を求めるものは静かに考えて輝く。お日様やお月様が輝くのと同じなのね。ルナはとても優しい表情だ。

 

真珠はルナのその感じから安心して話す、武士の生きかたってどんなふうなんだろう?最近気になりだしたんだ。

そうね、どんな感じかしら、あなたはどう思う?

真珠でいいよ。

私もルナでいいわ。

 

好きな詩というか歌のようなものならあるんだ。

かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂

吉田松陰さんの事葉なのだけれど。こうすればこうなると解っていても、それでもやはりどうしてもしなければならない時もある、そういうのが武士の世界にはあるみたいで、なんとなくかっこいいなと思って。

後、松蔭さんは 至誠にして動かざるものは未だこれ有らざるなり と歌っているんだ。それも獄中からだよ。この歌を思うと、本当の気持ちがあるならばその思いは通じるのかなって思うんだ。 吉田松陰は本当に武士だと思う、尊敬するよ。

ルナは話を聞きながら、真珠の瞳があまりにも真っ直ぐで光り輝いていると感じた。

うん、なんかその気持ちわかるわ。ルナが優しく微笑む。 

真珠が西の空をみると、月が沈もうとしている。

今日はそろそろ帰るは、又会いましょう、必ず。ルナの瞳には少し潤いがある。

真珠は別れるのが嫌な感じがしたが。うん、必ず、じゃあ又。

真珠は来た道を引き返し始めた、ルナの事が気になり振り返ろうとしたが、気持ちを抑えてただ来た道を引き返した。